埼玉県は東京都に隣接しているものの、じつはさまざまな地域から影響を受けた独自の言葉が存在します。
北部は群馬風の響き、東部は栃木・茨城寄り、南部は江戸っ子感が残り、秩父方面は長野や山梨の影響も。
今や若い世代では標準語使用が当たり前でも、年配の方や地元出身者にはまだまだ根強く残る“らしさ”がここに。
今回はそんな埼玉弁を、例文付きでしっかり紹介していきます!
あ行:日常に溶け込むユーモアなフレーズ
ああみぃ = 「行けない」「無理だよ」
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例文
ごめん!来週の予定ああみぃ。
(ごめん!来週は無理なんだ)
言いにくさをやわらげる、かわいらしい断り言葉です。
あいけんち = 「ジャンケン、ぽん!」
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例文
あいけんちで勝ち負けつけよう。
(じゃんけんで勝負しよう)
手のひらを合わせて遊びの決着……なんだかほっこり。
あーね = 「ああ、そうだね」「なるほどね」
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語尾上げで“気づいた”感、語尾下げで“同意”感が出せる便利ワード。
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例文
「三平方の定理を使えば簡単だよ」
— 「あーね」
えんちょ = 「座っててね」
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子どもへのやさしい声かけ。
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例文
ママ戻るまで、ここでえんちょしててね。
(ここで座っていてね)
おっぺす = 「押して!」
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独特で可愛らしい響きが印象的。
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例文
そこの赤いボタン、おっぺしてくれ!
か行:ちょっと力強い系の表現
かったりー = 「疲れちゃった」「だるい」
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例文
期末テスト、かったりーなぁ。
(だるいよね)
かたす = 「片づける」
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首都圏で使われがちだけど、そうと気づかれない方言。
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例文
お客さん来るから、荷物かたしておいてね。
かんまする = 「かき混ぜる」
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茶碗や鍋で使う“混ぜる”の方言。
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例文
生クリームかんましてくれる?
けなりー = 「うらやましい」
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ポツリと言うと、ちょっと言いたげなニュアンス。
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例文
妹ばっかり可愛がられて、けなりーよ。
こわい= 「硬い」(=「かたい」)
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モノの硬さを伝えるのに使います。
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例文
このおせんべい、こわくて噛めないね。
さ行:面白さ満載のニュアンス系
ささらほうさら = 「めちゃくちゃにする」
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表現の強さがクセになる一言。
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例文
猫が庭をささらほうさらにしたよ。
すっぱたく = 「たたく」
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ちょっと乱暴な言い方だけど、日常的。
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例文
調子に乗っとると、すっぱたくからな!
そうだいねぇ = 「そうだよねぇ」
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ゆるっと同意を表す、おだやかな相槌。
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例文
「東武動物園、よく行ったよね」「そうだいねぇ」
そうなん? = 「そうなの?」
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首都圏では意外と通じないかも。
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例文
「明日は埼玉県民の日で遊園地割引らしいよ」
— 「そうなん?」
た行:スパイスの効いた注目ワード
かったりー(再掲)
※ 疲れたときにやわらかく使える定番フレーズ。
まとめ:埼玉弁の楽しみ方
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地域によって少しずつ違う響き
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熊谷〜秩父〜川口と地名ごとに微妙に異なるイントネーションが由来です。
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親しみやすい“ゆるさ”が魅力
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「あーね」「かたす」「おっぺす」など、柔らかい響きが心地よい。
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気軽に会話に取り入れてみよう
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「疲れた=かったりー」「座ってね=えんちょ」「うらやましい=けなりー」など、スタンプ替わりに使える一言。
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埼玉弁マスターのヒント
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テレビやYouTubeで聞いてみよう:埼玉出身の芸人・タレントをチェック。イントネーションや表情も参考に。
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地元の人に直接質問してみよう:どの地域でどの言葉が使われるか聞くだけで盛り上がります。
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あえて使ってツッコミを受けるのも楽しい:関東で独特の言葉を使うと「それどこ弁?」って聞かれるかも。
ここに挙げた言葉は、あくまで代表的な一部ですが、各地からちょっぴりずつ恩恵を受けた埼玉弁の面白さがつたわっていれば幸いです。
「地元で使ってみたい!」という方は、ぜひこれらの単語を日常会話にさりげなく混ぜてみてください。
関東の“新定番方言”として、いつか広まるかも!?